西脇ゆう子(黒木瞳)は、横浜で自らの事務所を構える土地家屋調査士。離婚した夫(三田村邦彦)との間に一人息子の大地(原田一輝)がいるが、親権はあるものの監護権がないため別居を余儀なくされていた。
「土地家屋調査士」とは、どんな形の土地に、どんな建物が建っているかを正確に調査記録して、役所に登記する仕事。隣同士の境界線確定も重要な仕事の一つで、不都合な境界線を示された相手に睨まれることもあるが、ゆう子は毅然とした態度で正しい調査結果を提示。資格取得を目指しながらゆう子のアシスタントをしている市村拓也(徳井義実)とともに、正確な境界線を引くため日々、精力的に飛び回っている。
そんなゆう子に、牧橋善作(寺田農)から、妻と二人の息子に土地を分筆して生前贈与するため、消失してしまった隣家との境界線を復元してほしいとの依頼が舞い込む。善作によれば、つい最近まであった境界杭が、いつの間にか消えていたという。早速、現地に赴いたゆう子は、隣人の原田淳志(秋野太作)や娘婿の江木義彦(半海一晃)ら立ち会いのもと、両家の正確な境界線を、登記された測量図をもとに提示する。ところが江木は、境界線はもっと牧橋家寄りだと猛烈に抗議。善作がゆう子を丸め込んでいるとまで言い出す。そんな中、ゆう子は自分が示した境界線上に、境界杭が抜かれたような痕跡を発見。誰が抜いたかで両家は一触即発のムードになる。そこへ、警察が突然、江木に同行を求めにやってくる。江木と愛人関係にあった女性が他殺体で発見されたためだというが、その女性の遺体はゆう子が数日前に調査した土地で発見されていた…。
その後、牧橋家で話を聞いたゆう子は、江木が原田家に入り込んでから両家の関係が悪くなったことを知る。遊び好きの江木には2千万に及ぶ借金があり、少しでも多くの土地を手に入れて高く売却したいという思惑があるらしい。その証拠に、後日、江木と通じている不動産会社の奥野大介(デビット伊東)がゆう子に接触。牧橋家、原田家を含めた土地一帯での大型マンション建築計画を遂行させるため、少しでも交渉相手の地権者が少なくて済むよう、牧橋家の土地分割を止めるようにとゆう子に圧力をかけてくる。さらに、結婚後、実家に寄り付かなくなっている牧橋家の長男、哲夫(西村雅彦)も、一括売却の方が高く売れると分割に反対。哲夫にはかつて、江木の妻である千賀子(秋本奈緒美)との結婚を、一方的に破談にしたという過去があった。牧橋家は隣家とばかりでなく、家庭内にもぎくしゃくした問題を抱えていたのだ。
そんな中、牧橋家と原田家の境界線上で、奥野の他殺体が発見される。さまざまな事情を知ってしまったゆう子は、土地家屋調査士に課せられた守秘義務と捜査協力の間で、苦しい立場に立たされる。さらに、身の危険を警察に忠告される中、息子の大地が行方不明になってしまう…!
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